水と油


つ、と指を肩の辺りを差される。

「それ」

焦点の合わない目でそいつは言う。

「いつまでつけてるの」

その言葉に溜息を吐いた。

「お前が死ぬまで」

「さきにあなたがしぬよ」

「だろうな」

もう何度も行った会話だ。毎回懲りもせずあいつは同じ話をする。

「わたしならけせる」

消して困るのはお前の癖に。


力の強すぎる怨霊を憑けた青年と、力の強すぎる神様の加護を与えられた少女の話