01日 2月 2020 明かずの夜 「ほら」 先生が空を指す。 「月だ」 その先には丸く大きな月が浮かんでいる。 「そりゃありますよ。夜なんだから」 「はは、違う違う」 「?」 「私はね、月があると安心するんだよ」 「安心?」 「だってほら、月は太陽の光を受けて輝くだろう?」 「…ああ、そうでしたね」 太陽が昇らなくなって5年目の夜だった。 太陽に焦がれる教授とそれを傍で見る教え子の話 tagPlaceholderカテゴリ: 路傍の物語